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2015年6月14日日曜日

SoftBank Airはすでに帯域制限されたことがあるので、契約にあたっては要注意

さて、ひさしぶりの更新になってしまいました。
実は、この春から転勤により単身赴任となり、片田舎で一人暮らしをすることになりました。

私一人の生活になるので、新たに揃える家財道具は最低限にして、テレビすら買わなかったのですが、この私にとって何はなくとも必須なのはネット環境です。

光などの有線を引いても良かったのですが、有線だと引き込みに時間と手間が掛かりますし、単身赴任は原則2年間とされていましたので、今回は無線タイプのインターネット回線にチャレンジしてみました。


比較対象は以下の3サービス


いろいろとネットで調べたところ、以下の3サービスが検討対象となりえそうでした。
  1. 使い放題のMVNO(ぷららなど)
  2. WiMAX(WiMAX 2+)
  3. SoftBank Air

使い放題のMVNO(ぷららなど)


まず考えたのは、ぷららなどの使い放題タイプのMVNOでした。

ぷららモバイルLTE 定額無制限プラン|ぷらら

ぷららの場合だと、月額2,980円(税込)と比較的リーズナブルですし、既にiPadでBIGLOBEのSIMを使っており、MVNOのSIMは感覚的にとっつきやすく感じました。

ただ、iPadを無線ルータとして使おうと考えたのですが、現状iPadは家族がどっぷり使っておりまして、単身赴任先には持って行けなかったため、新たにSIMを挿して使えるルータを用意しなければなりません。

ところがAmazonなどで検索してみると、これが結構高い!
例えば、以下のNECのモバイルルータだと、実に2万円超えです。


いくらSIMが安くても、ルータがこんなに高いのでは本末転倒です。
また、単身赴任は2年間なのに、その後ルータが余っても仕方がありません。

あと、実効速度についても、課題がありそうでした。

MVNOの定額無制限プランはどれだけ快適?――ぷららモバイルLTEとU-mobileのSIMをレビュー(後編) (1/2) - ITmedia Mobile

夜の時間帯はぷららは下り平均が1Mbpsを超えることがなく、スマートフォン利用ならともかくPCからのインターネット利用ではかなり苦しそうだ。

そもそもの上限速度である3Mbpsでも動画視聴は厳し目ですが、1Mbps以下となると絶望的です。
私は、ニコニコ動画もよく見ますし、dアニメストアも使っていますし、skypeで英会話もしていますし、使用用途を考えると現実的でないということで、残念ながらこのたびはぷららはスルーすることにしました。


WiMAX(WiMAX 2+)


続いて、名前はよく聞くけども、中身はよく知らなかったWiMAXです。

ギガ放題 新料金プラン登場!|UQ WiMAX|超高速モバイルインターネットWiMAX 2+

サイトを見ますと、月額は4,730円(税込)と少々お高いですが、理論速度は最速220Mbpsと申し分ありません。

しかしエリアを調べてみますと、WiMAX、WiMAX 2+ともども残念ながら私の住んでいるこの片田舎は含まれていません。
というわけで、物理的に不可能ということで、再びスルー。


SoftBank Air


続いて、比較的新しいサービスのSoftBank Airです。

SoftBank Air サービス詳細 | インターネット | ソフトバンク

最初にこのサービスの存在を知った時に、自宅で引くのになぜ無線である必要があるのだろう? このサービスのどこに需要があるのだろう? と思っていました。

しかし、今回の私のように単身赴任等で期間限定で使う場合だと、すみやかに使うことができて、有線のように部屋に痕跡を残すこともないため、もってこいのサービスであると感じました。
ポイント1 かんたん! 工事不要! 電源を入れるだけ!
ポイント2 使い放題! パケット制限なし! 毎月定額だから、どれだけ使っても安心!
ポイント3 速い! 4G対応。下り最大110Mbpsで大容量データ通信も快適!
ということで、この売り文句が本当なのであれば、申し分ありません。

エリアも調べてみましたが、なぜかこんな田舎がたまたまサービスエリアに含まれていたため、他の選択肢もない状況で、消去法でこのサービスを選択することにしました。
(SoftBank Airのサービスは、Wireless City Planning社のAXGP網を使っているようです。)


地元のソフトバンクショップでSoftBank Airを契約


単身赴任先には、ドコモショップやauショップはあるもののソフトバンクショップはなかったため、地元のソフトバンクショップで契約することにしました。
地元のソフトバンクショップの店員は、SoftBank Airについて一応理解しており、まずはスムーズに話に入ることができました。

店員には、SoftBank Airのエリアは結構狭いんですよ、と言われましたが、すごい田舎だけど上記のエリアマップに含まれている旨を説明すると、納得して手続きを開始してくれました。

少し問題だったのが、手続きをするシステムが、サービスを使用する場所の住所が、ソフトバンクがエリア内であると認定した住所でないと、手続きが先に進められなかったことです。

残念ながら単身赴任先の住所は、マップ上は確実にエリア内であるものの、ショップのシステム上はエリア内になっていませんでした。
住所表記が、昔ながらの字(あざ)名表示だったのがダメだったのでしょうか?

私自身は、単身赴任先がサービスエリア内であることに確信を持っていたので、店員さんの提案もあり、とりあえず自宅の住所を登録して手続きを進めることにしました。
自宅はそこそこ都会であり、がっつりエリア内に入っていたので、問題なく手続きを進めることができました。

月額費用は、詳しくはこのページを見て頂くとして、ざっくり言うと、以下のような感じです。

Airターミナルを2年間の分割で購入する場合Airターミナルをレンタルする場合
Yahoo!のサービスに入る場合 3,996円(税抜) 4,486円(税抜)
Yahoo!のサービスに入らない場合 3,696円(税抜) 4,186円(税抜)


今回の単身赴任は、2年間限定であり、できればよけいなものを所有したくないためレンタルが望ましかったのですが、なぜか分割購入してしまう方が月額料金が安かったので仕方なく分割購入を選択することとしました。

もちろん、2年縛りはもれなく付いてきます。
Yahoo!の付加サービスは、特に必要なかったので入りませんでした。

あと、スマート値引きというものがあり、私も嫁もソフトバンクなのでそれが適用されるようでしたが、既に別の割引で-500円の割引がされていたゆうで、それと重複するということで、説明がよく分かりませんでしたが、私も嫁もそれ以上の割引を受けることはできませんでした。


運用開始!


さっそく自宅に持ち帰ってテストです。

これは本当に褒めるべきところなのですが、コンセントを入れてしばらくして、緑色のランプが5つ点灯すると、もうWi-Fiの電波が発信されています。
「かんたん!」との謳い文句は、本当です。

「***-5G」というSSIDの5GHz帯の電波と、「***-2G」というSSIDの2GHz帯の電波が確認でき、マニュアルでは混信の少ない5GHzがオススメと書いてあったので、素直に5GHz帯の電波を選択しました。

とりあえず、手元のMacbook Airと、iPhoneを接続してみたのですが、使い勝手は普段使っている有線インターネット回線+無線ルータとなんら遜色がありません。

速度で言うと、だいたい下り20〜25Mbps、上り7〜8Mbpsというところでしょうか。
もちろん理論値の110Mbpsには程遠いですが、ニコニコ動画やdアニメストアのストリーミングも普通に見られますし、私の利用用途からすると十分な速度でした。

その後、単身赴任先に戻り、今度は単身赴任先でもちゃんと電波を掴めるかテストしました。
コンセントを入れて電波を掴むまでの2〜3分間をドキドキしながら待ちましたが、結果としてちゃんと電波を掴み、単身赴任先での快適なインターネット生活をスタートすることができました。

ところが、その幸せな生活が長く続くことはありませんでした。


突然の規約変更


今回の契約を行ったのは、2015年3月下旬。
その約1週間後の2015年4月3日に、突然一方的にこのような規約改定が行われました。

改定前(2015 年 2 月 4 日付)改定後(2015 年 4 月 3 日付)
第 25 条(サービスの利用)
該当なし
第 25 条(サービスの利用)
9.本サービスの安定提供を目的として、当社の判断により、会員の本サービス利用に係る通信に割り当てる 帯域を制限する場合があります。


SoftBank Air わずか4ヶ月で規約改定し「使い放題」を撤廃 - ライブドアニュース


これには唖然としました。
契約時の示された条件を了解して契約したユーザーに対し、2年縛りを課しているにもかかわらず、契約後に一方的に契約条件を改悪するというのです。

ちなみに、契約条件を一方的に改悪した代わりに、ユーザーの無償での途中解約を認めた訳ではありません。

こんなことがまかり通るのであれば、羊頭狗肉で、最初だけ良い条件をちらつかせて複数年契約を強いて、後からいくらでもサービスを改悪することができてしまいます。

その後、なんとも言えないモヤモヤを感じながら、過ごすこととなりました。


そして帯域制限が始まった


それが始まったのは4月15日でした。
このたびの帯域制限について、最も情報が充実していたのが、2ちゃんねるのスマホ板です。

SoftBank Air Part6 [転載禁止]©2ch.net


複数の住人が、通信速度の異常に気づきます。

497 :名無しさんに接続中…:2015/04/15(水) 20:17:31.28 ID:K2fBjPxq
微妙に遅いけど速度制限掛かってる? 
498 :名無しさんに接続中…:2015/04/15(水) 20:22:47.79 ID:83SCtcQc
>>497
普段下り坂40Mbpsは出るけど今7Mbps前後で制限してるのかなってくらいの速度しか出ないね 
502 :名無しさんに接続中…:2015/04/15(水) 20:39:38.18 ID:2luNMAZC
また7メガ規制はじまったのかな。
2月頃にあった。
また突然治るのか。それとも規約改定で帯域制限開始なのかな??

今回発動された帯域制限の概要は、以下のとおりです。
時間:20:00〜25:00
速度:下り5〜7Mbps 上り0.5〜0.7Mbps

下りは、動画視聴が引っかかって使えないレベル、上りはskypeなどに支障が出るレベルです。
この制限が、例えば本当に混んでいる箇所のみならまだ許せたかもしれません。

しかし2ちゃんねるのスレにおける発言を見る限り、全国の全ユーザーに、毎日、晩8時から深夜1時まで一律に規制を掛けているようでした。

この制限について、ソフトバンクは公式に何も説明することはありませんでした。
それどころか、内情を当然把握できるサポートでさえ、あなたの場合がたまたまではありませんか?としらばっくれる始末です。



Wi-Fiルータ305ZTの規制発動による炎上


その数日後に、例の305ZTの規制発動による炎上が起こりました。

ワイモバイル、「無制限」謳い販売したWi-Fiルーターに、突如「3日間1GB制限」を掛けて炎上。 – すまほん!!

このことを受けて、ワイモバイル(ソフトバンク)に対する強いバッシングがはじまり、無償での途中解約を勝ち取ろうとする動きが全国的に強まりました。

そのことが多少でも影響したのでしょうか
連日、一向に収まる気配のなかったSoftBank Airの規制は、4月30日をもって解除されたのでした。

それから本日(6月14日)に至るまで、規制らしきものは発動されていません。
そして結局、今回のことについてなんら公式発表はありませんでした。


ソフトバンク(ワイモバイル含む)と契約する時は覚悟を持って


私は、iPhone 3Gからのソフトバンクユーザーですが、正直、今回のことは本当に腹が立っています。

305ZTのこともそう、SoftBank Airのこともそうですが、むやみに無制限などという日本語を使ってはいけないと思いますし、制限を掛けるのであれば、いつどのような条件で制限を掛けるのか、具体的な制限発動条件と制限内容を重要事項説明としてユーザーに確実に告知すべきです。
(305ZTの動画圧縮規制は、説明すらなされていなかったようです。)

ましてや、2年縛りを課しながら後から規約を解約するなど言語道断です。

かつて、iPhoneを積極的に日本に導入した孫さんにはある種の感謝をしていますが、現在の孫さんはコモディティ化したiPhoneにはあまり興味がないようです。
それであれば、私もソフトバンクにとどまる理由はありません。

皆さんも、誠実な業者が生き残り、ユーザーの過失につけ込もうとするような不誠実な業者が淘汰されるよう、ネットでよく調べてから選択をして頂ければ幸いです。


【追記】10ヶ月後の状況はこちら↓
iPhoneが好きすぎる: SoftBank Airは、毎日20:00〜25:00に4Mbps〜7Mbpsの速度規制があります