概要
このたび、大手キャリアからMVNOに移ってもキャリアメールを使えるよう、本体、維持管理費が比較的安く済むドコモのガラケーのキャリアメール（ドコモメール）を、他キャリア契約のiPhoneでも使えるように設定してみました。
ここに至る経緯は、ひとつ前の以下のエントリを参考に願います。
 | iPhoneが好きすぎる: MVNOへの移行準備のため、とりあえずガラケーのドコモメールをソフトバンクiPhoneで使えるようにしてみた【経緯編】 |
なお、ここに書いた内容は、さすらいショコラティエ（サシミッチ）さんのエントリを全面的に参考にしています。
| FOMAガラケーの契約でドコモメール利用開始｜さすらいの旅人でもショコラティエでもありませんが・・・ さすらいショコラティエ（サシミッチ） |
有益な情報を提供頂きまして、この場を借りて深く感謝申し上げます。
念のため注意事項ですが、ここに書いた内容は、2015年7月時点の環境、仕様に基づくものです。
また、エントリ内の記載が誤っている場合もあるかもしれませんので、この設定にチャレンジする方は、あくまで自己責任ということでお願いいたします。
用意するもの
本作業に必要な材料は、以下の３つです。
- ドコモのガラケー（ドコモとの契約が必要）
- ドコモのスマホ（ドコモとの契約はあってもなくても良い。白ロムで良い。）
- キャリアメールを使いたいiPhone（通信さえできれば良い）
ドコモショップに行って、一括０円のガラケーをゲットする
さて、ここ最近のことですが、複数のドコモショップで、ガラケーが新規一括０円で、月々２円から使えます、といったセールを行っています。
【スマゼロ.com】「東京都」「ガラケー」「Docomo（ドコモ）」「一括0円」のTwitterキャンペーン案件検索結果 |
対象となっているガラケーは、P-01G、N-01G、SH-07Fです。
ドコモショップでガラケーを新規契約する
ドコモショップに行き、ガラケーを新規契約したい旨を告げ、サクサクと契約を進めてもらいます。
機種は上記のどれでも良かったのですが、一番簡単そうなやつと伝えると、P-01Gを薦められましたので、それにしました。
ちなみに、月々２円〜で使えるカラクリは以下の様なものです。
| タイプシンプルバリュー |
1,483円
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| ファミ割MAX |
-740円
|
| 月々サポート |
-800円
|
| 計（税抜き） |
0円
|
合計がマイナス、つまり0円になり、ユニバーサル使用料の2円のみということになります。
ドコモは、どんな契約でもカケホーダイ必須で月額費用がバカ高いというイメージがありましたが、ガラケーに限って言えばこのように月々の費用が抑えられる契約も残っていたのですね。
なお、タイプシンプルバリューを半額にすることができるファミ割MAXは、今回行う契約とは別のドコモとの契約がある場合に適用されます。
私はたまたま昔、一括0円で契約したキッズケータイがあったので、それのおかげでファミ割MAXを適用することができました。
もし、他にドコモの契約がない場合は、この際一括0円のガラケーをもう1台契約するというのもひとつの手かもしれません。（実際にそれで、ファミ割MAXが適用できるかどうかの確認していません。）
あと、設定作業中にパケ死しないように、パケ・ホーダイシンプルにも入っておきましょう。
これは、パケットを使わなければ月額0円です。
ただ実際は、spモード契約が必要となるために、以下の様な計算となり、月々２円〜ということにはなりません。
| タイプシンプルバリュー |
1,483円
|
| ファミ割MAX |
-740円
|
| 月々サポート |
-800円
|
| spモード |
300円
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| 計（税抜き） |
243円
|
243円×1.08＋2円＝264円で、結局月額約300円弱といったところでしょうか。
言い換えてみれば、月額300円弱でドコモメールを契約しているとも言えます。
なお契約時に、契約事務手数料が3,150円必要です。
iモード？ spモード？
私はこれまでドコモの携帯を持ったことがないため、iモードとspモードの違いがよく分かっていませんでした。
今回分かったのは、基本的に従来型のガラケーは、全てiモードであり、spモードは必要としないということです。（spはsmart phoneの略と思われます。）
そしてドコモのキャリアメールは、iモードのメールアドレスと、spモードのメールアドレスの２つが存在します。
実は、今回の作業を進めるためには、spモード契約が必要なのですが、ドコモショップでは基本的にガラケーでspモード契約はできません。
（無理を言ったらできるかもしれませんが、ショップの店員を困らせるだけなのでやめておきましょう。）
後ほど、My docomoにおいて、spモードへの契約変更が可能なので、ショップにおいてはiモードを契約しないか、もしくはとりあえず付けてもおいてもどちらでも構いません。
SIMカードのサイズに注意
普通にガラケーやスマホを使っている人は全く意識する必要はないのですが、現在世間に流通しているSIMカードは、大きい順に、ミニSIM、マイクロSIM、ナノSIMの３種類のサイズがあります。
多くのAndroid端末はマイクロSIM、iPhoneなどのApple端末はまずナノSIMです。
何の話かと言うと、購入するガラケーのSIMは、後ほど入手するドコモのスマホに挿して作業をするため、両端末のSIMサイズは同一であるほうが好ましいということです。
私の場合、今回入手したガラケーP-01GのSIMサイズと、後ほど入手することになるAndroidスマホSH-06DのSIMサイズは、同じマイクロSIMであったため、下駄を履かせたり、SIMをカットしたり、ドコモショップに行ってSIMのサイズを変更してもらったり（有料）といった手間が発生せずに済みました。
もしこのエントリを参考に作業をされる場合は、この点を留意して、入手するガラケーやスマホの機種を選定することが望ましいです。
さて以上で、ガラケーの入手は完了です。
ドコモメールの設定変更に必要なドコモのスマホをゲットする
ドコモメールをマルチデバイス化するには、ドコモメールアプリが必要
さて、ドコモのガラケーの契約において、ドコモメールを使えるようにするためには、ドコモメールのアプリ上で、ドコモメールのマルチデバイス化の設定にチェックを入れてやる必要があります。
しかし、ドコモメールのアプリはガラケーにはなく、ドコモのスマホにしかありません。
ならば、何かしらの形で、ドコモのスマホを入手してやる必要があります。
もちろん、例えば身内の誰かがドコモのスマホを持っていれば、それを一時的に貸してもらっても構いません。
残念ながら私の場合は、私と嫁はどちらもソフトバンク契約であり、身内にもドコモのスマホを持っている人間がいませんでした。
同僚や友人のドコモのスマホを一時的に貸してもらうという方法もありますが、SIMを入れ替えるというややデリケートな作業が発生するため、お互い気を遣うのが嫌だったため、趣味のための捨て金と思って、オークションでドコモのスマホを入手することにしました。
ヤフオクにてドコモのAndroidスマホSH-06Dを入手
ドコモメールのアプリを使えるのであれば、どのような端末でも良いと思われますが、わざわざスマホを買って失敗することが怖かったので、万全を期してさすらいショコラティエ（サシミッチ）さんのエントリで使用されているSH-06Dを購入することにしました。
ヤフオクで検索してみると若干古い機種であるため値段は比較的安いですが、それでもジャンク系の2,000円程度から、新品同様で10,000円以上するものまで、様々です。
私は、ドコモメールアプリの設定さえできればいいので、外見の綺麗さには全くこだわらず、しかし通信だけはできることを保証している3,000円程度のものを選びました。
こうして、作業に必要な三種の神器が全て揃いました。
ドコモメールのマルチデバイス設定をする
そもそもドコモメールとは
先ほども述べましたが、iモードのメールアドレスと、spモードのメールアドレスは別々のものであり、ドコモメールはspモードで付与されたメールアドレスということになります。
まずは現状契約していないspモードの契約手続きをします。
ドコモIDを取得してMy docomoにアクセスできるようにする
docomo ID発行 |
My docomoとは、自身のドコモ契約に関して、毎月の費用を確認できたり、契約内容を変更できるサービスサイトです。
このサービスにアクセスするには、まずドコモIDをゲットする必要があります。
上記のサイトにアクセスし、自身のガラケーの携帯番号を入力してやると、ガラケーにSMSでワンタイムパスワードが送られてきます。
そのパスワードを入力してやると先に進むことができます。
続いて、自分の好きなドコモIDとパスワードを設定してやります。
それにしても、自分の思い通りのIDがなかなか取れないのは、さすが契約者数の多いドコモだと思いました。
My docomo上でspモードの契約を行う
先ほど取得したドコモIDを使って、My docomoにアクセスして、spモードの契約をします。
設定場所は、以下のメニューです。
ホーム / My docomo / ドコモオンライン手続き /spモード(iモード契約可)
なお、iモード契約だけでも月額324円ですが、これをiモード・spモードの併用契約に変更しても月額324円と、月々の値段は変わりません。
ただ、iモードは今後使うことはありませんので、spモードの契約の（月額324円）で結構です。
ガラケーからSIMを取り出してドコモのスマホに挿入する
さて、ここから物理的な作業を行います。
ガラケーからSIMを取り出し、ドコモのスマホに挿入します。
当然ながら、いずれの端末も電源は切っておきましょう。
端末からSIMを取り出すための方法は、最近だとたいていYouTubeなどに上がっている動画が参考になります。
私は、ガラケーのP-01GからSIMを取り外し、スマホのSH-06Dに挿入しました。
ドコモメールをダウンロードします
ここではじめて、スマホの電源を入れます。
このままインターネット接続すると、ガラケーの契約上でパケットを消費しますので、真っ先に自宅のWi-Fiの設定をしてやります。
しかし、残念ながらここから少々の作業は、Wi-Fiを通してはできません。
というのもこの手続きは、ドコモがドコモ回線からのアクセスしか認めていないからです。
そのため、やむなく一時的にWi-FiをOFFにします。
ここから先は、パケットを消費しないよう、最小限の動きをすることを心がけて下さい。
手順は、以下のサイトを参考にさせて頂きました。
作業する内容は、ドコモのスマホに当初からインストールされている「spメール」というメールアプリをアップデートして、「ドコモメール」アプリにするというものです。
「ドコモメール」アプリは、ドコモのサイトからしかダウンロードできず、Google PlayなどのAndroidアプリダウンロードサイトからはダウンロードできません。
「ドコモメール」のインストール（アップデート）方法を画像付きでご紹介 | 猫と杓子 |
- Androidの設定画面を開き「ドコモサービス」をタップ
- 「アプリケーション管理」をタップ ⇒ ドコモサービスドコモサービスアプリケーション管理アプリケーション管理
- アップデート一覧をタップ
- ドコモメールをタップ ⇒ アップデート一覧アップデート一覧ドコモメールドコモメール
- メールデータのバックアップを推奨されますが、心配な方は行っておきましょう。未知の不具合があった場合、インストールの際にメールデータが消失する恐れがあるためです。下の方にスクロールし、「アップデート」をタップ
- ダウンロードが完了次第、既存のspモードメールのアイコンがドコモメールに変わり、すぐに利用が可能となります。
好きなメールアドレスに変更する
「ドコモメール」アプリをダウンロードして使えるようになりましたら、まずはメールアドレスの変更をしておきましょう。
spモードにおいて、最初に与えられたメールアドレスはfi2osj3so7vnzk8oxcn@docomo.ne.jpといったものです。
まさかそのまま使う人もいないと思うので、とりあえず好きなメールアドレスに変更しましょう。
手順は、ドコモのサイトを参考に願います。
spモードからの設定 | お知らせ | NTTドコモ |
ドコモメールをマルチデバイスで使えるように設定する
そして、いよいよドコモメールをマルチデバイス化するために設定を行います。
手順は、またしてもドコモのサイトを参考にして下さい。
マルチデバイスでのご利用方法 | サービス・機能 | NTTドコモ |
設定の中の「docomo IDでドコモメールを利用」において、「利用する」を選択することで、マルチデバイス化のスイッチがオンになります。
ここまでたどり着ければ目的を達成したものも同然です。
早速、ブラウザから、ドコモメールの送受信ができるか確認してみましょう。
ドコモメール(ブラウザ版) | NTTドコモ |
ソフトバンクのiPhoneでドコモメールの送受信ができるようにする
それではいよいよ最終段階。
ドコモメールの真価は、IMAP対応のデバイスであれば、どんな端末からでも送受信できることです。
今回は、他社（ソフトバンク）契約のiPhoneでアクセスできるようにします。
またまた、作業手順は他のサイトに頼ります。
ソフトバンク、AUのiPhoneでドコモメールを利用するための設定方法 |
ドコモメールを送受信できるようにしたいiPhoneの
［設定］−［メール/連絡先/カレンダー］−［メール/連絡先/カレンダー］−［アカウントの追加］−［その他］−［メールアカウントを追加］を選択します。
続いて、以下のように入力していきます。
| 新規アカウント | |
|---|---|
| 名前 | 自分の名前（メールの相手方に表示される名前） |
| メール | ◯◯◯◯@docomo.ne.jp |
| パスワード | ドコモIDのパスワード |
| 説明 | ドコモメール（分かれば何でも良いです） |
| 受信メールサーバ | |
|---|---|
| ホスト名 | imap2.spmode.ne.jp |
| ユーザ名 | ドコモID |
| パスワード | ドコモIDのパスワード |
| 送信メールサーバ | |
|---|---|
| ホスト名 | smtp.spmode.ne.jp |
| ユーザ名 | ドコモID |
| パスワード | ドコモIDのパスワード |
設定が終了しましたら、他のデバイスと送受信テストをしてみましょう。
出来ない場合は、必ずどこかスペルミスなどをしていますので、根気よく確認しましょう。
私も3回ほど失敗しましたが、最終的にはうまくいきました。
最後に
いかがでしたでしょうか？
私自身はこういうことを試してみるのが楽しくて仕方ない性分なので、むしろ楽しんでやれましたが、興味のない人にとっては相当面倒な作業だと思われます。
しかもこの方法は、今後2年間はこのままの月額料金ですが、それが過ぎると、月々サポートがなくなりますので、月額1,000円程度の費用が発生するようになります。
| タイプシンプルバリュー |
1,483円
|
| ファミ割MAX |
-740円
|
| 月々サポート | − |
| spモード |
300円
|
| 計（税抜き） |
1043円
|
それまでにキャリアメールが不要になっていればいいのですが、やはりまだ必要だという場合は、2年縛りが切れる直前に、また別途MNOと新規契約をして安くキャリアメールをゲットしてやる必要があります。
ここに書いた内容をやってみたいという方は、将来的にそういった手間が発生することも含みおいた上で、チャレンジして頂ければと思います。
少しでも多くの人が、現状の何かとしがらみの多い環境から抜けだして、好きな端末と好きなSIM契約を組み合わせて、自分に合った運用をできるようになることを祈っています。
